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横浜創英中学・高等学校 工藤勇一校長 就任

2020年4月1日、横浜創英中学・高等学校の新しい校長および堀井学園の理事に、工藤 勇一 氏をお迎えいたしましたことを、報告いたします。

横浜創英中学・高等学校は、工藤校長とともに新しいスタートを切りました。今後とも、ご支援ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 

工藤勇一氏プロフィール
山形県数学の中学教諭を5年務めた後、東京都台東区の中学校に赴任。その後、東京都や目黒区の教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを経て、3月31日までの6年間、千代田区立麹町中学校の校長を務める。現在、内閣官房教育再生実行会議委員や経済産業省「EdTech」委員などの公職も務める。

著書に、10万部のベストセラーになった『学校の当たり前をやめた』他、『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』『子どもが生きる力をつけるために親ができること』などがある。

 

教職員に向けて

4月1日に就任してすぐに、工藤校長は、全教職員に自身の教育観を紹介。

そして、その最後に「私が目指しているのは、教員はもちろんのこと、生徒も保護者も全員で対話することによって、教育には何が一番大事かということが話し合える組織に成長させていくことです。横浜創英が、私が来た事によってそういう学校になっていけたらと思っています。」と締めくくりました。

 

新型コロナウィルス感染症対策

その後すぐに、刻々と変わる感染拡大状況などを踏まえ、全教職員で対策を講じました。
その冒頭で発信された、工藤校長の方針を一部ご紹介します。

「最上位に据えることは命を守ること、子供達の命を守ること、家族の命を守ること、我々の命を守ること。これ以上の最上位はない。そのために何ができるかということを、本気になって発信しなければならない。発信する人はメディアだけでなく、我々だということです。」

「横浜創英に来て、私の最初の仕事がこれになります。皆さんと一緒に、最悪の事態が来るかもしれないということを予測して仕事をする。空振りになったらオッケーです。今起こっていることは「あぁ、そうすれば良かった」では済まされない。多くの人々が亡くなる可能性があり、それは我々自身も、である。もうすでに、私も含めて感染しているかもしれないという意識を持つことが大切です。当事者意識を持って、情報の整理をして、今後の課題と対策を皆さんと練らなければならない。力を貸して欲しいです。我々の使命は、まず子供の命を守るために子供達をどうするか、そのことをまず考えることが大事です。医師や警察官、消防士の方々まではいかないまでも、我々も福祉的な人間です。子供の命を救うために何ができるのかを考えなければいけない。」

「子供達に接するときに、当事者の意識で言葉を使いましょう。正確な情報を元に、できるだけ前向きになる言葉を使いましょう、子供達がきちんと、自分の命を守れる行動を取れるように、訴えかける一員になりましょう。」

 

お詫びとお願い

ただいま本校では、新しい体制で新型コロナウィルス感染症対応を、教職員のできる限りの安全確保を努力しつつ行なっております。新校長から皆さまへのご挨拶や、保護者の皆さまへのお知らせなど滞っていることをお詫びいたします。今しばらくお待ちいただくことを、どうかご理解いただきますようお願い申し上げます。

 

横浜創英中学・高等学校 下山田伸一郎校長 退任

この度、私ども学校法人堀井学園 横浜創英中学・高等学校 校長で、学園理事である下山田伸一郎先生が、2020(令和2)年3月31日をもって退任されますので、ご報告いたします。

退任のご挨拶はこちらをご覧ください。

2013年着任

下山田先生は、2013(平成25)年4月に着任され以来、7年間 横浜創英を支え、牽引していただきました。

着任当時の横浜創英は、当時でいう「学力」を伸ばすことが重要なミッションでありました。横浜創英はその歴史の中で様々な変化をしてきた学校で、大学進学率が一定の向上をしてはいたものの、「踊り場」状態である認識でした。

そこで下山田校長は、「二兎を追う」ことをスローガンに掲げ、創英生の良さの1つである行事も部活も一生懸命やりとげ楽しむことをそのままに、そして学力も向上することを先生方とともにチャレンジされました。

 

先生方の進学支援の情熱を、先生方自身が形にする

下山田校長の学校運営は決してトップダウンではなく、とにかく先生方がやりたいことを尊重する。そして、それは横浜創英の学校の進化の議論にも同じことが言えました。毎年メンバーを変えて将来のビジョンについて皆で語り考え、時に行き詰ることもありましたが、7年間1度たりも止めることなく、状況に応じたチームを結成し、議論を続けました。

生徒の個別の進路希望に応じたオリジナルの大学説明会や、先生方の情熱で生徒の進学支援のための学習機会を先生方自身が形にすることに繋がりました。一般から見れば数字でしかそれがおわかりいただけないのが残念ですが、進学実績の数値から、就任当時の「踊り場」から数段ステップを上ったことがご覧になれると思います。

 

授業のあり方を再考し、新たなステップへ

着任してそう時間が経たないうちに、中等教育に「アクティブラーニング」という言葉が使われるようになりました。当時、それは進学のための授業と親和性があるのかなど、多くの疑問が職員室を巡ったのは事実です。しかし下山田校長は、言葉を少しずつ社会の進化に合わせながら、毎年の教育重点目標に「授業における主体的、対話的、ふかい学びの実現」を掲げ、授業研究を実施。毎年、全教員の授業も見て一人ずつお話されていました。

最後の2カ年は、先生方自身が企画して、教科を超えた授業研究を全教員で実施するまでに至りました。今では研修の機会がなくても、先生方が授業や特別活動・総合的な学習の時間を合わせて計画したり、また仲間の先生と自然に異教科合同の授業にチャレンジするなど、創英では普通のことになっています。

 

新しいことのために外に出る
校長先生の仕事の1つに、校外の研修や会議への参加があります。下山田校長は、いわゆる校長対象の会合に参加されるだけでなく、新しい教育について開かれる、デザイン思考、STEAM教育、そして「創るから学ぶ」などのワークショップに参加されていました。それはご自身が先生方に指示するためというよりは、管理職の先生方と外に出て潮流を肌で感じ、そして、先生達に外に出てもらうことを勧められていました。そして、先生方が自ら掴んだ「自律的学習者の育成」をどのように形にするか、議論が進んだのです。それが形になったものが、今、横浜創英で実践を始めたPBL(プロジェクトベースドラーニング、課題解決型学習)です。これが、前述の教育重点目標の「主体的、対話的、ふかい学びの実現」に繋がっていることはいうまでもありません。

 

下山田校長の学校運営の信念

最後に、職員会議での退任のご挨拶を紹介します。

「この数十年の中で、教育の流れはかなり大きく変わっている。しかし、松尾芭蕉のいう不易と流行は常に教育の中にあって、変わらないものは大事にしなければならないし、変わるものにはチャレンジしていくという姿勢と持たなければならない。創英も今、新たな変化に向かってチャレンジをしてその芽が順調に育ってきている。その息吹を感じることができたことは、私の教員歴の中でも大変幸せなことだった。生徒たちも、創英という学校もまだまだ伸び代があると確信している。後任の校長も立派な人ですので、また創英を一段と発展させていただけることを確信している。横浜創英のさらなる発展を心よりお祈りする。」

 

先生がいつもおっしゃる印象的な言葉は「先生方に成功体験を積んで欲しいんだ」。校長としての信念が見えた気がします。

以上、皆様へのご報告を、感謝の言葉にかえさせていただきます。

ありがとうございました。

退任のご挨拶はこちらをご覧ください。

公開講演会「世界と繋がる自分の作り方」(ミネルバ大学と立命館アジア太平洋大学の挑戦)

去る1月16日に、横浜創英中学・高等学校にて、元ミネルバ大学日本連絡事務所代表の山本秀樹さんと立命館アジア太平洋大学教授の近藤祐一さんをお迎えし公開講演会を開催いたしました。


 

テーマ「世界と繋がる自分の作り方」

〜How would you like to be remembered?〜

ミネルバ大学立命館アジア太平洋大学の挑戦)
    
学園内外の中高生と保護者の皆様、グローバル教育に関心のある方、そして本学園の教職員が一堂に会し、お二方から、今の世界の進化とどのように学びを進めるかのヒントをいただくご講演をうかがい、お二方と生徒とのディスカッションにチャレンジいたしました。

 

 

 

 

 

 

 

この会が開催されたのは、去る6月にインターンシップで来日していたミネルバ大学の学生さんと交流した横浜翠陵中学・高等学校の生徒が、私に告げた一言からでした。

「私、いきたい大学が見つかったかも。もっとミネルバ大学のことが知りたいんです」

「1人のためにお願いするのは難しいので、あなたがミネルバ大学のエバンジェリストになって10人集めてくれたら、必ず説明を聞く機会を作るって約束するわ」

そして10人の仲間を連れて現れました。そこで、私は山本秀樹さんにお願いしたところ、喜んで、と快諾してくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山本さんと相談して素敵な機会を作ろうと企画し、山本さんから立命館アジア太平洋大学(APU)にお声がけいただき、今回の講演会が開催されたのです。会の冒頭に山本さんがおっしゃいました。

「この生徒さん達は、10人の仲間を連れて来ただけでなく、そのおかげで大人も含めた70人の人が一堂に会することができたのです。拍手をお願いします!」

生徒が、行動することの素晴らしさを教えてくれた冒頭の一コマです。

 

チェックイン

まずは今日はどうして参加したのか、そしてどんなことに期待しているのかを、皆さんで共有していただきました。

「ミネルバの話をもっと聞きたかった」「将来を考えて、今、教育に関心があるのでこれからどんな教育が必要なのか、それを知りたかった」「親にすすめられて一に来た」

 

 

 

 

 

 

 

 

講演「世と繋がる自分の作り方」「ミネルバ大学の挑戦」

VUCAと呼ばれる時代に、誰かにもらった正解を教室の中で学ぶのではなく、教室の外で学びは始まり、自分で「問い」を見つけ深い対話によって自分を進化させていこう。そして、変化を創る側の人になり、自分で成長のシナリオをつくることが大事である、ことなどを学びました。キーワードはSUPER VUCAです。(SUPER VUCAのVUCA:Vibrant-生き生きと、Unreal-非現実的に、Crazy-熱狂して、Astound-堂々と!)

 

 

 

 

 

 

 

 

講演「立命館アジア太平洋大学の挑戦」

“Are you future ready?”  ” Are you global ready?”  

19世紀に作られた教育システムで20世紀の「教員」が21世紀をつくる若者を育成しようとしている。(大人に響いた言葉です)
1番オンリー1を大事にしよう。世界は多様で、今「普通」だと思っていることは世界では普通ではなく、何かを成し遂げるために深い理解と考察が必要。世界に飛び出して、間違いや失敗を経験してそれを自分で克服しよう。進路を選ぶのにどんなことがどのくらいできるのか、自分で見極めよう、ということなどを学びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

講演者と中高生のディスカッション

中高生全員とお二人の講師とファシリテーターを交えて車座になり、講演を聞いてみんなに聞いてみたいことを質問しあい、それに講師の方からコメントをもらうディスカッションにチャレンジしました。

「いまどんなことに興味がある?」「このお話を聞いて考え方がどんな風に変わった?」「行動をする勇気を持つために何が必要?」

加えて、来場している大人の方々からの質問もオンタイムで表示し、それについて聞いてみました。

“How would you like to be remembered?という問いにどう答えましたか?”

「挑戦している人だと思われたい」「いつも笑顔で楽しく進んでいる人だと思われたい」

 

 

 

 

 

 

懇談会

最後に、ご来場いただいた大人の方々と教職員で講演いただいたお二人を囲み、それぞれの方からお話をいただいたり深いお話をする時間を過ごすことができました。みなさん、お話が止まらない!

 

 

 

 

 

 

 

 

<アンケートの一部をご紹介>

生徒より

・ディスカッションがすごく楽しかったです!

・「好き」を純粋に追い求めること(印象に残ったこと)

・21世紀の教育は昔とはかなり変わってきていて、わたしは暗記するだけが勉強ではないのではないか?と疑問を持っていたが知識を活用したりアクティブになる必要があり今の自分に足りないことが多く発見できました。

・自分は失敗を恐れ進路に迷ってしまっている部分があるが、成功や正解だけがゴールではなく 失敗することで成長できたという先生の言葉で背中を押されました。

保護者より(一部抜粋)

・このような会を公開にして共有したいただいたことに感謝します。

・率直に発言する生徒たちの姿(印象的に残ったこと)。

・ご講演を頂いた両先生、ファシリテーターの先生、開催するきっかけを作ってくれた翠陵高校の生徒の方々、シャイながらも自分の率直な意見を聞かせてくれた生徒の方々、場所提供と準備にお骨折りいただいた創英の教職員の方々、私を誘ってくれた娘に感謝します。ありがとうございました。

お客様より

・大人がいない方が盛り上るかも

・とってもステキな会でした!講演のところは、オンラインで公開してもよいほど!

教職員より

・自分たちが検討している新しい教育デザインを信じて進めるべきだと感じた。

・大学に入るまでの間に本当に必要なことを学ぶ機会の提供はできると思った。

・20世紀型の我々が思う「現実」ではなく、「非現実」を突き進むことに可能性を感じた。

・自分が「普通」ではないところに身を置き、それが生徒の特徴になる事が必要なのではないかと感じた。

・公開講演会を開催するという、どうなるかわからない不安があってもチャレンジすることで「機会」を作ることができるのかと驚いた。

・この機会をもっと多くの生徒に提供したい。

・学校教育に身を置く立場として、「間違えさせる教育」の視点は考えさせられました。高校教育の場でも、知識を活用できる経験の場を築いていく視点を持つ大切さを実感しました。

 

 

 

 

 

 

最後に

この度の機会を得て、私どもは学校の枠を超え、世代を超えて、未来について考えることが生徒はもとより、教職員にとっても応援してくださる皆様にとっても有意義なものであることを学ばせていただきました。ありがとうございました。

これからも皆様と共に未来を作ることができるように進化をしていきたいと考えております。今後ともご教示いただきますよう、よろしくお願いいたします。

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【講演者プロフィール】

山本秀樹
慶應義塾大学卒業、ケンブリッジ大学経営管理学修士(MBA)修了。東レ株式会社で高機能繊維を用いた航空宇宙、自動車・電子部品・土木建築・アパレル分野等での新規製品開発を経験。経営戦略コンサルティング会社であるブーズ・アンド・カンパニー(現PwC Strategy& )で大手企業の成長戦略策定、事業再生、事業提携等を支援。住友スリーエム株式会社(現3M Japan)ではマーケティング部長を歴任。2014年にAMS合同会社を設立、新規事業開発・用途探索支援のコンサルティング活動と並行し、2015年から2017年までMinerva Schools at KGI (ミネルバ大学)日本連絡事務所代表を務めた。
著書「世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ」(ダイヤモンド社)

近藤祐一氏 (立命館アジア太平洋大学 教授 入学部長) 
国際基督教大学卒業後ミネソタ大学で博士号取得。専門は異文化間コミュニケーションおよび国際教育。南山大学在職中は、交換留学の開拓や海外での短期留学プログラムを開発。また、他大学の教職員のための異文化間コミュニケーションプログラムや国際プログラムの運営のためのトレーニングを行う。2006年から立命館アジア太平洋大学において多くの異文化教育プログラムの開発運営に携わる。現在入学部長として年間350万キロを移動し、国内外の高校生と接している。

【ミネルバ大学の概要動画】